――イベントを開くに当たって雨は天敵なんです。
半年前の高山で氷菓オンリーイベント『平成24年度神山高校文化祭(カンヤ祭)』にて、千反田さんのお弁当を食べていた際、相席の方とお話したとき出たものです。この日はとても晴れていて、家族で工夫して各々の高山の歩きかたを考えているのを垣間見れた日でもありました。天気は体調にも変化を現すものですし、変な天気に限って出不精にしてしまうこともあります。もっとも天気や天災1つで交通も経済も変わってしまうもので、台風と雪のときは旅行を避けなければなりませんし、東日本大震災が起きた時は、ことごとく楽しいイベントが中止されてモチベーションさえ大きく変えてしまいます。
覚悟はしていたんですが……天気予報通り『生きびな祭り』7割は雨に見舞われてしまいました。
雨で、労力も増えるし、生きびなたちが巡るルートも変更せざるを得なくなり、負担のかかることが多くなってしまいます。
(正直、こんな日は少し時間をずらして、宮川朝一を歩いても良かったと思ったことがあります)
でもそんな雨の中でも変わらないことも多かったし、むしろ今日は色々な方とお話しできたとも、振り返って思うことがあります。
(後に聞いた話ですと、雨の中並んでいた方々で励ましあって並びの長時間を過していたという話も聞いております)
恐らく生きびなのレポートは既に公式や新聞でもそうですが、来訪者のつぶやきがありますし、MixiやTwitterで短文中継もされていると思います。このログでは書き手主のレポートでごめんなさいですが、この1日どんなことがあったのか端的になりますが、まずは文章だけまとめていこうと思います(一部箇所を除き写真は後程になるかと思います)。
●午前中の屈託
ホテルアルピナで朝食を取ってバスに乗り込んだのは8:06の初バスでしたが、着いたときにトークショー優先券を手に入れるのは無理でした。
聞いた所によると、JR高山駅7:20発の普通列車でギリギリか配布終了となったそう。
努力すればなんとかなっていた……と午前中悔しがることもあったんですが、午後になって実際に並んでみるとそうでもなかったので今思えば悔しくはないかな?
雨に濡れるのが大変なので、雨宿り休憩をしながら物販物を買っていきます。
限定セット(ポスター、クリアファイル、ラスクがショッピングバッグ付)、御饅頭、おせんべいの米菓、桜クッキー……なんだか限定というだけでも随分と買ってしまい、結局はお米とカレーを買えず仕舞いになってしまいました。
会場は水無神社のメイン会場と臥龍桜公園の第2会場で、後者は氷菓来訪客のためのおもてなしスペースとして企画されたそうです。
この3日間、運が良いのか臥龍桜を1日ごとに見ていますがまだ開花していません(往復高山本線を走る特急ひだ号での最前部座席で見てました)。4月中旬頃には開花すると聞いたんですが、開花時に行けるかどうかまだわかっていないしなぁ……。
牛肉まんやら飛騨牛乳など地産地消のお土産会場になっていて、メイン会場でのトークショーのばらつきはあったかとは思いますが、楽しい演出になったんじゃないかと思います。ちなみに飛騨牛乳はまたオレンジ牛乳とパイン牛乳をパックで買いました。ホテルの湯上り用は瓶で、こっちはパック……どんだけ好きなんだ?
10:00からは神社駐車場を会場に献血もはじまり、この際だからと献血してみようとチャレンジしてみました。
ところが、書類書いて医師の診断もパスして血液検査の所で……
献血できませんでした!!
原因は頭痛薬を飲んでいたからだそうで、輸血直前でひっかかったのは意思の疎通が上手に出来ていなかったようです。しかし、安全で確実な輸血を実行するには、ハードルが随分高いんだなって思い知らされました(中には血が薄くて献血できないという声もありました。)。
余談ですが、翌日家路の岐阜市内でも献血を申し出ましたが、今度は血圧の高さで献血できませんでした。
この旅においての献血計画は見事に玉砕する結果となりました。
それでも4月1日からの今日までの1日半における献血量は124名49000mlという結果を知り、氷菓における社会貢献は凄いなぁと正直思います。5月末までは氷菓タイアップの献血キャンペーンを行っているそうですので、たまこまーけっとの京都行きの折には岐阜で途中下車してリベンジしてみたいと考えていますが……献血条件は厳格なまでにリスクが高いので体調管理には注意したいところです。
●佐藤聡美さんトークショーと雛たち
お昼を千反田さんのおにぎりで食事を取った後、いよいよ13:00より雛たちが登場するとのことで、境内の回廊に集まります。
晴れた日なら宮川などを中心に1時間かけてゆっくりと雛たちが回りますが、今回の雨で境内の回廊となってしまいました。
(この点実は引っかかっていて、来年の生きびな祭りも行ってみようかな?と思っているんですが……後々に聞いた話ですと、回路を生きびな達が歩くというのも貴重な光景だそうです。それでもリベンジしてみたいなという気持ちは湧きます)
実際の雛の行列はどうもお雛様の段でいえば下段から行進して行ってるみたいで、出てきた順にこどもたち、鬼2人、左大臣、右大臣、三人官女、お内裏様、そしてお雛様の順。
しんがりはお雛様なんですね。
十二単も重そうですが、その服先を持ちながら動くというのも息の合ったものです。
屋内移動とあって傘持ちがいなかったのが残念でしたが、もしもお内裏様の脇であったとしても傘持ちを頼まれた男子は、古典部・氷菓ファンにすれば憧れの役目になるかとは思っていたので、来年こそ快晴を願いたいなって思っています。
雨が止んだ14:00からは千反田える役の佐藤聡美さんトークショーとなりました。
優先券が無いとはいえ、不可ではないところで見れた聞けたのがLuckyだったかな?
僅か1時間という時間ではありましたが、最初に神山高校応援部の小鳥さんから、大きめのさるぼぼ人形が贈呈されたのちに、トークショーが開催されました。
ショー中で比重を置いていたのは『遠回りする雛』本編の豪華な先輩声優さんがたを迎えてのアフレコ全般かな?豪華な先輩が来る毎に震え上がっていたそうで、佐藤さんの共演はなかったけども、折木奉太郎役の中村悠一君にとって緊張した現場だったというお話があがりました。9月に放送の時には、大きく驚かせた雛祭りの男衆でしたが……配役の現場でもご苦労なこといっぱいだったんだなぁ、って思います。
また、書き残しておきたいことの1つに、自分は氷菓で好きなキャラは奉太郎の姉貴である折木供恵さんだと、別の舞台地現場で申し上げたことがありました。1つは自分も姉貴がおり、物凄く親近感を覚えること。2つ目には気の優しい涼宮ハ×ヒのような人でもある。とどのつまり奉太郎の核(コア)になっているというのが理由です。で、佐藤さんも供恵さんが好きなキャラだと壇上でありました。その供恵ですが、劇中顔を全く映さない方針を取っていましたが、表情などの設定はあるんだそうです。公開許可を求めかけてるところであり、近日公開も近いだろうとのこと。個人的には楽しみです。
トークショーが1時間をとても短い時間にしてくれたと思います。
佐藤さん達が退場した後は雛たちの挨拶と表彰、餅投げが行われます。
雛に扮する女性たちは高山周辺で公募された方々だそうで、平安時代風の着物を着て、そして紙を結ったり化粧などに凝り……といった貴重な経験をさせてもらえたことに皆さん「普段体験できない忘れられない日になった」と各々挨拶されました。最近は『公募』という募集企画には一長一短があるように思えましたが、伝統行事を続けることのなかの1つの選択肢なのかな?と思えることが多くなりました。継続は1つマラソンのようなもの。マラソンは経営や習慣でもい得ることなので、お互いが幸せになる選択肢が『公募』なのかな?企画側も参加する側も。
餅投げでは最後ひし形の3色餅を頂きました。
中には神社からの福袋が入っているともありましたけど、自分はこれでじゅうぶんです。
『スリが多発してるから気を付けて』という注意があり、これは怖いなぁって思いました。
餅をあげている雛たち。
その餅を我こそは!と頂く来訪客。
この構図を見てたら急に思い出したことが1つ。
『餅をあげる、だからモチベーション』
同じ岐阜県で電気配管を製造する未来工業の創設者である山田昭男氏の経営哲学でした。
●おまつりすんだはらっぱに
――今日は結構、大勢のひとに会った。
本編最後、素の千反田さんに戻った際、奉太郎も劇中同じことを言っていますので引用しておりますが、自分とてこの生きびな祭りにお客視点にせよ、同じことが言えると思っています。
なにしろこの日の生きびな祭り来訪客は2500人。
400~500人が平均だったのに今回は5,6倍の方々が来られれたそうです。
(自分なんかはこの人数で仮にタイアップが無くても、生きびな祭りは行く気でした。氷菓・古典部で最も好きな作品が『遠回りする雛』でしたから)
佐藤聡美さん以上に出会えて嬉しかったなぁと思えたのが、翌日Ustreamでレポートしている島田裕志君にお会いできたことが、自分の中では遥かに思い出深いものになっております。
年末、送った手紙が読まれたことに加えて、烏田君のイラストをGetできたことは、角川書店を通じても感謝でいっぱいでした。
佐藤さんトークショーの壇上で、さるぼぼプレゼントをされた小鳥英介さんにもお会いできました。
Ustreamって本当に出会いが優れた放送局だなって思いましたね。
昼飯で出会ったファン客や地元のおばあちゃんからは様々なことが聞けました。
古典部作者の米澤穂信先生も来られていたんですって。
もし間近で会えてたらと思うと、震え上がるほどです。
中でも嬉しかったのが、飛騨経済新聞社の田中編集長にお会いできました。
飛騨経済新聞社の記事はPCやスマホアプリのEvernoteで、簡単にスクラッピングが出来ることもありますが、氷菓・古典部と舞台地の高山市のタイアップなどをいろいろ取材してきたWeb新聞社です。地元の新聞紙、出版物は目が無いことを話し、今日のできごとからアニメやゲームなどのサブカル旅行の醍醐味をいろいろと思ったことをお話していたらICレコーダーを取り出し「ぜひ記事にさせて下さい」と言われて、役に立つかはわからないが応えることにしました。田中編集長曰く「今日の生きびな祭りは、大きな出来事の1つ」とも仰っています。
田中編集長から『ひだびと。』4号というフリーペーパーと、山中和紙に印刷をした本年『3月9日白線流しの集い特別編』の飛騨経済新聞紙面を頂きました。
前者『ひだびと。』の裏面には『「氷菓」に見る「コンテンツーリズム考」』という特集が、6ページにわたって特集されています。
小鳥さんのインタビューが載っているんですが、ご当地アニメを盛り上げる側の熱意が大きく出ています。経緯なども随分と頷かせるんですが、まさか『あの夏で待ってる』の長野県小諸市にも来られていたんですかぁ……。小諸も屈託あって意見交換会からはじまり、様々なイベントを成功させています。自分にとっては旅のデザインを考える場所にもなった意味でも非常に印象強い舞台地になっています(自分の場合は小諸だけではなく大町・木崎湖が輪となっていることが殊更大きいのかもしれません)。一宮といえば、もう1つアニメ・ゲームの舞台地になった作品があります。自分もこの作品はしっかり見ていたし、それ目的で行ってみたいと思いましたが、残念ながら行けてないし、公式側の挨拶が無かったということもあって良い印象ではなかったそうです。最近思うんですが、アニメ舞台地はステイクホルダーで支えているような気がしてなりません。どこかに大きな縺れがあれば、自粛に自動的になっちゃうなって……。『氷菓』が今回、しっかりとした中継点を作ってくれたことで、一宮舞台地の作品も再確認に行けるかな?と思っています。一宮だけでは無くて、白川村を舞台にしたあの作品にも、です。
『ひだびと。4号』を発刊しようという
プロジェクトページがありましたので、ご参考にどうぞ。配布先についてはコチラも調べてみようとは思います
が、現在のところ分かっていません。
※2013.04.08追記:後にメールを頂きまして、下記場所にて配布予定とのことです。今日2ヶ所は出先で都内におりましたので見てきましたが、現状は本誌4号は置いておらずこれからの配置になるかと思います。
・Only Free Paper
渋谷PARCO PART1 4F 10:00~21:00
〒150-8377 東京都渋谷区宇田川町15-1
・旅の本屋 のまど
12:00~22:00[定休日/水曜日]
〒167-0042 東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
・飛騨居酒屋 蔵助
Lunch.Time)11:30~14:00
Dinner.Time)18:00~23:30(L.O.23:00)[定休日/祝日]
〒101-0052 東京都千代田区神田小川町2-6 小池ビル1F
最期に飛騨一ノ宮駅に臨時停車の特急ワイドビューひだ18号を見送りました。
普段ならこの駅に特急が停車するということはまず無いし、早朝最終辺りは普通列車さえ停まりません。完全な無人駅ですが、今回はきっぷの販売や安全確認のために駅社員を配置されたそうです。臨時停車なので特急乗車案内も手作りで置かれるなど、格段の配慮がなされていました。やはり需要はあって乗車の数は多かったし、自分とてもしも帰宅するならこの列車で帰っていたでしょう。格段の配慮でした。
17:09高山市街地行きのバスに乗り込み、17:30ホテルに戻ったときには1時間ほどベッドから動けなかったです。
大変長いレポートになってしまいました。お許しを。